こんにちは、小林努です。
2025年5月22日、立教大学にて「社会的養護」をテーマにした特別講義を担当させていただきました。
福祉や教育、子ども支援の分野に関心を持つ学生の皆さんに向けて、3つのテーマでお話ししました。
- 社会的養護とは何か
- “自立”をどう考えるか
- 社会的養護情報サイト「チャボナビ」の活用方法
■ 社会的養護とは?

まず、講義の導入では「社会的養護」という言葉の意味や背景についてお話ししました。
家庭で暮らすことが難しい子どもたちを、児童養護施設や里親、ファミリーホーム、自立援助ホームなど、社会全体で支えるしくみが社会的養護です。
「かわいそうだから助ける」ではなく、「子ども自身の思いを大切にしながら、ともに歩む支援」が必要だということ。
支援する側の思い込みではなく、子どもと共に考える姿勢が大切だということを、現場での実体験を交えながらお伝えしました。
■ 自立ってどういうこと?

支援の現場では、「18歳で施設を出る=自立」というようなイメージを持たれることもあります。
でも本当の意味での“自立”とは、ただ一人で何でもできるようになることではありません。
私たちが大切にしているのは、
- 自分の思いや困りごとを言葉にできること
- 人に助けを求められること
- 小さな「選択」の経験を重ねること
といった、心の土台づくりです。
学生の皆さんからも、こんな感想が届きました。
「支援を受ける人から相談を受けたとき、ただその内容を全肯定するのではなく、一緒に整理して、なぜそう思うのか、他の選択肢はないのかを一緒に考えることの大切さを学びました。相手の気持ちに寄り添いながらも、より良い決断をサポートする姿勢を学べました。」
また、別の学生さんからは、
「日常生活における小さな意思決定の積み重ねが、やがて大きな選択をする力にもつながると聞いて、普段の生活の中で“自分で考えて選ぶ”ことの大切さを実感しました。」
という声もありました。
自立とは、誰かに頼ってもいいし、迷ってもいい。
そんな“自分らしく生きる力”を育んでいくプロセスなのだと思います。
■ チャボナビのご紹介
講義の最後では、社会的養護情報サイト「チャボナビ」についてご紹介しました。
チャボナビは、児童養護施設や自立援助ホームなど、社会的養護に関するさまざまな情報をわかりやすくまとめたポータルサイトです。
- 各施設の雰囲気やスタッフ、行事の紹介
- 見学会や採用試験、募集要項などの掲載
- 施設とのチャットでのやり取りや、見学・応募のエントリー機能
など、これから社会的養護の現場を「見てみたい」「関わってみたい」と思う人にとって、安心して第一歩を踏み出せる場になっています。
学生の皆さんからも、
「チャボナビについてもホームページを拝見して興味を持ちました。施設の情報がやさしく紹介されていて、安心して見学や応募ができそうだと感じました。」
という前向きな感想をいただきました。
■ おわりに

今回の講義を通じて、「社会的養護」や「自立」というテーマが、少しでも自分ごととして感じてもらえていたら嬉しく思います。
社会的養護の現場は、決して特別な人だけが関わる場所ではありません。
「ちょっと気になる」「もっと知ってみたい」そんな気持ちの積み重ねが、きっと未来につながっていきます。
今回の講義では、120枚のたすけあいオレンジリボンステッカーを配布しました。
これからも私たち「たすけあい」は、社会的養護や子ども支援に関心を持ってくださる学生の皆さんと、学びや気づきを分かち合える場を大切にしながら、未来の支援者を応援していきたいと考えています。
🔗 関連リンク
- チャボナビ公式サイト:https://chabonavi.jp/