みなさん、こんにちは!
前回の記事につづいて、児童養護施設に実習へ行く学生さん向けの記事です。
ちなみに前回は、実習前の準備(事前にできるようになったら良いこと・服装・泊まり込みの準備)、実習中の勤務形態や心構え(実習生がやること、日誌について)、現役の児童養護施設職員が思う「理想の実習生像」についてまとめました。
児童養護施設へ実習!?事前準備や実習中の心構えについて職員さんに聞いてみた!今回は前回の記事では紹介できなかった、より具体的な質問について、児童養護施設の職員と施設で暮らしていた子に聞いてみました。
大型のアンケートはしませんでしたが、オンラインでインタビューした内容をまとめましたので、参考情報として受け取ってもらえたら嬉しいです!
もし、元施設職員さんや児童養護施設での暮らしを経験した人がいたら「じぶんはこう思う」というのをコメントで教えてね!
児童養護施設職員の答え
実習生の受け入れについて
人財…一緒に働きたいかという視点でみています。
子ども目線で考えると慣れない子は疲れちゃうし、テンションが上がりすぎてしまうことも。
そういったことも考慮して関わってもらえると嬉しいな。
児童養護施設を通して、社会的養育全般のことを知ってもらえたら嬉しい存在だと思っています。
児童福祉の分野でも保育園と違い認知がされていない分野だから、理解してもらって今後の実習生自身の活動につなげてもらえると嬉しいです。
就職につながらなくても、今後の人生で覚えていてほしいなと思います。
実習中について
人には入られたくない領域がある(パーソナルスペース)と思うので、関わる機会や言葉かけの機会を設けて距離をとるといいかな。最初は敬語でもいいくらいかも。
子どもの「間」を意識してかかわるといいかな。
挨拶をしながらいきなり距離を縮めるのではなくて、子どもそれぞれの性格を汲み取りながら、職員さんと相談しながら対応していくといいと思います。
事前に「苦手な物はありますか?」と実習生さんに聞いています。
これはちょっと勇気がいるかもしれないけど「これだけは食べられないです」「小食なんです」と事前に伝えられるといいかな。
配膳するときに子どもにもご飯の量を聴きながら配膳するので、実習生さんも同じようにご飯の量の調整はできます。
子どもも苦手な物が出たときは半分にしたり、一口サイズにしたり、食べれないときはそれ以外のものを多めに食べてもらったりしています。
食育という観点でも無理矢理食べてもらうのは食事への意識が遠ざかるので、うちの施設では実習生にも同じように対応しています。
僕は辛い物が苦手なのでカレーの時は甘口カレーです。
子どもも職員さんもお互いに苦手な物を理解しながら生活しているので、胡椒やラー油などを入れられるといったいたずらをされるときも(笑)
じぶん自身で昇華しないで職員さんに伝える、他の実習生と共有するといった方法で切り替えるといいかな〜と思います。日誌に書くのもいいね(どこかで吐き出すことが大切)。
この質問とは少し違いますが、子どもが荒れている場面に出くわす(目撃する)こともあると思います。
喧嘩をしたり職員に対して暴力をしたり、物を投げたり、壊したり…この時「じぶんでどうにかしなきゃ」って思いすぎなくていいです。できなくて当たり前なので。
暴言を言われたときは辛いと思う。
でも子どもにとってはチャンスでもあると思っています。
俯瞰して考えてみると、子どもの不適切な表現方法を適切な表現方法に変えていけるきっかけになるからです。
家庭にたときに言われ続けていた、施設内で年上の子から言われて影響を受けていたということもあり得ます。
言われて「悲しいな」と事実を伝えるのも一つです。
職員に相談をしてくれれば一緒に対応策を考えます。
子どもの暴言の裏には過去の出来事が「いま」に影響しているので、メインは現場職員が対応するけど、もしじぶんに向けられたら今感じた気持ちを伝えて、職員さんに報告、子どもの背景を考察することが実習生としての経験になるのかなと思います。
実習中の心構えについて
子どもも職員も不安です。もし、じぶんの家に実習生が来たとしたら…
最初は「お客さん」かもしれなけいけど、何かのタイミングで「実習生のお姉さん」に変わる時がきます。ほどよい緊張をもって3,4日勤務してみるといいと思う。
あとは、まずは空間に慣れる!
人様のおうちで緊張するのは当たり前で「緊張している」って言葉にしていいくらい。
施設の生活の中で実習生が入るというのは子どもも職員も慣れています。一つのユニットに毎年10人はくるので。じぶんのところにはいなくても、他のユニットにいる光景が日常になっています。
「どんな人がいるんだろう?(興味関心)」と思って様子を窺っている子もいるから、良い大人としてのモラルをもちながら、子どもに寄り添う「間」を保っていけると、子どもの成長を感じられる期間になると思います。
子どもが好きなアニメやゲーム、アーティストの話が自分の好きなことと重なればコミュニケーションが発展していきますね。
学生という立場だからこそ、ためらって聞けないこともあると思います。僕自身もコミュニケーションが苦手なのですが、職員になってからの経験や場数を踏んでできるようになりました(年齢や年数を重ねて)。
だから、いまのご自身の段階で実習に臨んでOKです。ちょっとずつ、自分の特徴を把握できていればこれから伸ばしていけます。だから、そのままで大丈夫です!
児童養護施設出身者の答え
実習生について
良い意味で何も思ってないかな。警戒心は強かったかも。
張り切っている実習生とは温度差があったな。うまくいく人は張り切ってない印象(笑)
中学生以上でグイグイ来られると「グイグイくるな」と感じるから、張り切りすぎない方がいいかな。人が入れ替わるのは正直慣れてるから、ガッツリ心配しなくていいと思う。
実習生との関わりについて
本園ならグラウンドでボール遊び、ゲームを一緒にやると仲良くなりやすいと思う。あとは、興味もっていることを披露して「すごいって思ってもらう」ことも大切かな。
中学生だったら話す、体育館があれば一緒にバスケかな。
その子の性格を見極めつつかな〜
小さい子だったらグイグイ遊ぶ、中学生以上は質問するといいかな。「どういうルールあるの?」「めしまずくてさ〜」「趣味」とか。
たまにいるんですけど、やたら偉そうな人がいる。
子どもがワイワイどんちゃんやっているのが日常なのに「そんなことしたらダメだよ」って言われたときは「お前、何にも知らないやん」って思った。
実習生について感じていること、ぜひ教えてください!
・児童養護施設職員(現役、退職者もOK)
・児童養護施設で暮らしていた子