メリークリスマス!
今日のテーマは「クリスマスと社会的養護」!
この時期は「親のいない子どもたちにクリスマスプレゼントを!」ということで、多くの方が児童養護施設等に寄附を考える時期かと思います。
わたしも現在所属をしているボランティア団体で、毎年児童養護施設の子どもたちを地域の幼稚園に招いてクリスマス会を企画して、もちろんプレゼントも渡しています。
そこで今回は、クリスマスの時期に児童養護施設等が、いただいて嬉しかったプレゼントについて、子ども本人や職員さん達はどう思っているのか、クリスマス企画としてアンケートを取ってみました!
少ない母数ではありますが、つながっている子どもや施設職員さん、里親さんにアンケートの協力をお願いしました。
クリスマス企画ということで、この結果がすべて正しいという見方ではなく、あくまでも参考情報程度として、最後までご覧いただけるとうれしいです。
児童養護施設のクリスマス
まず最初に、社会的養護の一つである児童養護施設でのクリスマスの過ごし方について、わたしの経験をもとにご紹介します。
どの施設でも定番なのが、施設でクリスマス会を開くことです。
例えばこんな催し事があります。
- 演劇
- 歌の披露
- ハンドベルの発表
- ピアノの発表
- キャンドル・サービス
- 職員による発表
- 食事会
わたしの経験談
わたしが小学生だった頃は施設全体のクリスマス会があって、各ホーム出し物をする時間が設けられていました。1ホーム20分くらいだったかなと記憶しています。
ここでいう「ホーム」とは、子どもたちが集団生活をする単位のことで、1ホーム6人〜12人と施設によって異なります。普段は各ホームで生活を送り、季節の行事ごとがあると、すべてのホームが集まって施設全体の行事を行うのです。
出し物の内容は職員が決めたり、子どもが意見を出したりして決定します。中学生のときはAKB48が流行っていたので、有志チームでRiverを踊りました。
ただ、歳を重ねるにつれて、地域小規模児童養護施設が増えてきて、施設全体のクリスマス会の開催は減っていきました。なので、わたしが高校生になった頃には、各ホームで外食してイルミネーションを見に行く、ホームで過ごす、といったクリスマス会に変わっていきました。
ここ数年はコロナ禍ということもあり、施設全体の行事が減っていることから、各ホームでクリスマスを過ごしたり、各ホームで映像を準備して放映したりしていると聞いています。
よって、児童養護施設の小規模化が加速していくと同時に、児童養護施設でのクリスマスも変わっていくのかなと個人的に思っているところです。
他にも、地域のロータリークラブさんがおしゃれなランチ付きのクリスマス会にご招待くださったり、施設に芸能人のみなさんが来て交流するクリスマスパーティーもありました。
クリスマスプレゼントの予算
続いて、クリスマスプレゼントの予算についてです。
これもアンケートすればよかった!と今になって気づきました。
「児童養護施設=プレゼントを買う予算がない」と思う人もいると思いますが、一応児童養護施設にはプレゼントを買う予算が用意されている場合が多いです。
運営費等から流用されているようなので、全ての児童養護施設においてあるかは不明ですが、わたしの施設では小学生だった時は「1人3,000円以内」と決まっていました。
高校生の時、この値段までは出すからそれ以上はお小遣いから出してねという制度でした。仕方がないとは思いますがワクワク感は減りますね…
施設によってやり方が違うと思うので、覚えている人がいたらぜひコメント欄で教えてくださると嬉しいです!
参考までに、施設等での生活を経験した子達が、クリスマスの予算で買ったものを紹介します!
MD付きCDコンポ!音楽やラジオが好きでずっと自分専用のMD付きCDコンポが欲しかったから。
3,000円以内と決まっていたのに6,000円もする介護職員初任者研修のテキストが届きました!
社会的養護とクリスマスの寄付
ということで、ここからは「社会的養護とクリスマスの寄付」についてお話していきます。
クリスマスになると児童養護施設に限らず、子ども食堂やひとり親家庭に向けてたくさんのプレゼントが贈られますよね。
社会的養護でいうと、親元を離れて暮らす子どもがいるのは児童養護施設だけではありません。しかし、他の施設形態の認知度が低いことから児童養護施設に寄付が集中してしまうという現状があります。
ある職員さんは児童養護施設、乳児院は寄付先として思い浮かぶけど、それ以外の施設は知らない人の方が多いよな…と嘆いていました。
また以前、児童心理治療施設の職員さんとお話した時も、「隣の(児童養護)施設はたくさんプレゼントもらえてうらやましい」という子がいて、胸がキュッとなったと言っていました。
わたしは他の施設の存在を知っているので、なるべく分け隔てなくプレゼントが贈られたらいいのに…と思っていますが、現実はなかなか厳しいですね。
ここから、アンケート結果をご紹介していくのですが、児童養護施設での生活を経験した人が多く、偏りがあることをご理解の上、読み進めていただけたらと思います。
職員さんや里親さんがもらって一番嬉しかったクリスマスの寄付
まずは施設職員や里親さんが思うよかった寄付について紹介していきます。
商品券 Amazonギフト券など(子ども達がそれで自分の好きな物が買えてありがたかったです)
ケーキ
図書カード 子供に買ってあげたい本が買える
プレゼント入れる用のおっきいサンタの靴下!
頂いてはないんですけど、めちゃくちゃ欲しいです!
あまりそこにはお金掛からなくて、毎年なくて寂しいな〜とおもってるので!笑
ちっちゃい子たち絶対嬉しい!
Nintendo switch !入手が困難なため
普段使いできる衣類など
遊ぶおもちゃ
他にもうれしかった寄付に関しては、以下のような物がありました。
・サッカーボール等のスポーツ用具
ちょうど古くなっていたので、助かりました。みんなで遊べる物でしたので
・コミックス
人気作は特に子どもが喜びます。ただし、進撃の巨人など年齢層が高めな漫画やグロ系なものは敬遠されるかなと。
・お菓子
・サンドバッグ
子どものストレス発散場所になる
・財布
中高生は財布をもらっていて今でも使ってます!
財布って使うけど小遣いでわざわざってなってるので!
職員さん里親さんが思う少し微妙だったクリスマスの寄付
つづいて、施設職員や里親さんが思う少し微妙だった寄付について紹介していきます。
・たくさんのケーキ
ありがたいんですけど、処理に困って子ども達が文句を言ってるので正直心が痛くなります…
・残念だったのはないんです。しかし!量が多すぎます。ありがたみもないし誰にもらったかも覚えてない。これでは意味がない。外部の方々には感謝しかありませんが、思いと施設側のニーズにズレがあります。
・大きいぬいぐるみ
置き場所がなく、倉庫行きになりました。今は私のマンションにいます。
・クリスマスツリー
ホームにあるんで大丈夫です
・ケースのない色鉛筆
簡易ケースみたいなのはついてたけどすぐ破れて色鉛筆バラバラになって困った。
・某宗教団体のオリジナルノート
学校での使用時に、子どもへの差別につながる恐れがある
・毎年同じ物、全員同じもの
子どもたちは一緒のものを嫌がります
去年も同じモノをもらった…となる。同じモノだと誰のものかわからなくなる
集計数が少ないので一概には言えませんが、大人視点でいうと、傾向としては「みんなで使えるような物」に関しては喜ばれている様子です。一方で、大量のケーキのような、量の多い寄付などに関しては持て余している傾向にありそうです。
子どもが思う一番嬉しかったクリスマスの寄付!
ここからは、子ども目線のうれしかったクリスマスの寄付を紹介します!
答えてくれたみなさん、ありがとうございました!
お菓子
海外アーティストのCD
米軍基地の方からいつもクリスマスプレゼントをいただけるのですが、海外でしか買えないようなCDをいただいたことがあって、アラサーの今でも持っています。
チュチュアンナの靴下
靴下!何足あっても困らないから。
衣類
年間に買える予算が限られていて、新品の服をもらえるのは、着る選択肢が増えるから。
衣類
年間に買える予算が限られていて、新品の服をもらえるのは、着る選択肢が増えるから。
ゲーム!みんな持っていたから
スポーツシューズ
何円分(5000円、1万円等)という自分で選べるプレゼント!
自分の好きな物を選べるのが嬉しいし、そのとき欲しいものを選べて満足できるからです!
ゲーム機!流行に追いつくことができた
ミニカー!乗り物好きのため
クリスマスケーキやフルーツなど
施設でも豪華なメニューが出ますが寄付もあると量が多くて連日食べられて嬉しかったです
サンタさんの靴下に入ってるお菓子(小学生の時)
ディズニーランドの招待
他にも嬉しかった寄付には、以下のような物がありました。
・クリスマスケーキ
私は甘いのが好きなので嬉しいです。ただ、他の子どもたちは連日続くということでいらないと言う子もいます…。
・ゲーム(+カセット)
周りの友達はゲーム機で遊んでるけど、自分が持てない事に疎外感を感じていたから
・おもちゃ
どれが良いとかではなくて、中古ではなく、新品。かつ知らないものもあってわくわくしました。
・自転車
みんな持っていて行動範囲が広がるから。移動しやすくなった!
・洋服・カバン
吹き出しお下がりが多く新品の服が少なかったので
・靴下
モコモコも暖かかったけど、学校にはいて行けるような種類の靴下も格が上がった感じがして嬉しかったです
子どもが思う少し微妙だったクリスマスの寄付
続いて、子ども目線の少し微妙だったクリスマスの寄付を紹介します!
・ケーキ
大量・かぶりやすい!!笑
・お菓子
食べきれなかったりしたから
・大きなぬいぐるみ
一つを取り合いになるから、たくさんもらえると仲良く分けれるかも
・手編みのマフラー
とても素敵でしたが、自分には似合わなくて使えませんでした 涙
こちらも集計数が少ないので一概には言えませんが、洋服や靴、鞄といった日常使いのできるものやゲーム機などが人気がある一方で、大人同様で大量のケーキやお菓子など量の多い寄付に関しては、持て余してしまう傾向がありそうです。
ほしい物を贈るには?
ということで、ここまで大人視点の嬉しい寄付と子ども目線の嬉しい寄付を紹介してきました。
みんなのコメント、いかがでしたでしょうか?
ケーキがうれしい子もいれば、いくつもありすぎて嫌になる子もいて、何を寄付したら喜ばれるのか、ますます分からなくなりましたね…
施設とつながりのある人は職員さんに直接聞くのが1番の近道ですが、「全くつながりがないけど寄付をしたい」という人に向けて、いくつか寄付の方法をご紹介します。
①電話またはメールで問い合わせ
一つ目は電話またはメールで問い合わせる方法です。
お気持ちがあるが故に匿名で贈ってくださる人もいますが、匿名だと返って怪しまれてしまうことがあります。
以前、匿名のご寄付で食品が贈られてきました。もちろんそんなことはないと思いますが、身元不明の人からの寄付だったので職員で分け合いました。
できれば住んでいる都道府県くらいはお伝えして、子どもの人数やほしい物を聞いてみてください。寄付の予算を伝えてもらえるとうれしいという職員さんもいました。
②Amazonほしい物リストでプレゼント
二つ目はAmazonほしい物リストからプレゼントする方法です。
たすけあいが運営するナカソラでは、児童養護施設や自立援助ホーム、児童心理治療施設のほしい物リストを都道府県別に掲載しています。
ぜひお住まいの都道府県をクリックして、寄付先の施設を選んでみてください。
現状、クリスマスグッズでいうと、福島県の自立援助ホームやまびこの洋服(3人分)、東京都の自立援助ホームあすなろ荘のゲーム機やソフト、茨城県の自立援助ホーム みらいのチョコケーキキット、栃木県の自立援助ホームマルコの家のメイク道具セット、福岡県の児童養護施設 暁の鐘学園のチョコフォンデュが入っています。
みなさんのおかげでクリスマスツリーやパーティ用の食品、任天堂Switch等が施設に贈られました!ありがとうございます!!!
リストの中身は職員さんが子どもに聞いたものセレクトしているので、ほしい物を贈ることができます。ぜひリストを覗いてみてください!
他にもAmazonみんなで応援プログラムに掲載している施設や、ほしい物リストを集約して公開している任意団体さんもあるので、そういったサイトを活用してプレゼントしてみてください。
まとめ
ということで、今回の記事のまとめです。
- クリスマスは施設でイベントをしたり、外食をしたりして過ごしています
- クリスマスプレゼントは一人一人に少額ですが予算があって、その予算内で自分の好きな物をリクエストすることができます。
- 大人視点でいうと、傾向としては「みんなで使えるような物」に関しては喜ばれている様子です。一方で、大量のケーキのような、量の多い寄付などに関しては持て余している傾向にありそうです
- 洋服や靴、鞄といった日常使いのできるものやゲーム機などが人気がある一方で、大人同様で大量のケーキやお菓子など量の多い寄付に関しては、持て余してしまう傾向がありそうです
- クリスマスの寄付をする方法は ①電話・メールでの問い合わせ ②Amazonほしい物リストを活用することでほしい物を贈ることができます
いかがでしたでしょうか?
クリスマスの寄付は、わたしも施設で暮らしていた11年間、毎年経験してきました。今回、他の子たちが実際どう思っていたのか、アンケートを通して知ることができ良かったと思う一方で、「何を寄付するかを選ぶのって本当に難しい!」というのが正直な感想です。
クリスマスの寄付に関して感じる課題としては、大体の児童養護施設では1人一つ位のプレゼントを買う少額の予算がありますが、自立援助ホームにおいてはほとんどの施設でないという現状です。
こういう現状を知ることで、社会的養護において受け取って嬉しい寄付の循環が他の施設にも広がると嬉しいです。
みなさんの想いが子どもや職員さんたちにも届くよう、今後も寄付をテーマにした話題について調査してみたいと思います!