こんにちは、田中れいかです!
児童養護施設で暮らす子どもたちのために何かしてあげたい。できれば「寄付ではなく、対面で関わりを持って何かをしてあげたい」という人も多いのではないでしょうか?
実際、たすけあいで、今後どのような内容を取り上げて欲しいかアンケートを募集した結果、最も多かった要望が「施設の子どもたちと外部の人との関わり合いについて」となっています。
今回は、そうした声にお応えして、児童養護施設の子どもたちと直接関わり合いを持って行う支援やボランティアについてと、その接点を持つ方法についてをお届けしたいと思います。
直接的な支援について
まず始めに、わたしが10年間児童養護施設で暮らした経験をもとに、施設で暮らす子どもたちへ直接的な支援をするための3つの接点について紹介します。
1つ目は日常生活に関わるボランティアをすること・2つ目は地域イベントに招待すること・3つ目はイベントを企画し、子どもたちと関わること です
1)日常生活に関わるボランティア
学ボラさん(学習ボランティアさん)
児童養護施設の子どもたちと関わる手段の一つに「学習支援」があります。
わたしも小学校5年生だったか…記憶は曖昧ですが、週に一度、女性の学ボラさんに勉強を教えてもらっていました。
ふてくされて勉強できない時もありましたが、お菓子をつまみながら、お茶を飲みながら、共同生活の場を離れて勉強できる時間が意外と好きでした。
近年は施設に塾代の補助が出るようになったことから、それまで行なっていた学習ボランティアを撤退したNPO法人もあります。
また、施設内に教室のような勉強部屋を確保して「くもん」を導入している施設もあり、学習環境やボランティアの受け入れは施設ごとに異っています。
習いごとの先生
以前の記事でも明記しましたが、施設にいる子も習いごとができます。
児童養護施設の暮らし【10年間暮らした施設出身モデルが解説】※習いごとの金銭面については機会があれば職員さんにお聞きしたいと思っています。
わたしが暮らしていた施設に限られますが、習いごとの先生として来てくださっていたのは
- 絵画の先生
- 影絵の先生
- 読み聞かせボランティアさん
- ピアノボランティアさん
地域のサッカーチームや野球チームに所属する場合は近所の学校やグラウンドで練習に行く光景も見られましたが、施設にきて教えてくださる習いごとのほうが多かったように思います。
他の施設では以下のような習いごとがあると聞きました。
※随時、追記予定です
- ダンス
- 英会話
正直にいうと、習いごとは施設側の教育方針や状況によってに受け入れてもらうまでに時間がかかる可能性があります。
その一方で「習いごとをボランティアで指導し始めて10年!」なんて方もいるので、施設側とうまくコミュニケーションが取れれば、継続して関わることもできそうです。
記事の最後で、実際にボランティア等で施設に訪問している人の事例を紹介していますので、合わせてご覧いただければと思います。
裁縫ボランティアさん
これはわたしの施設の話になりますが、足拭きマットや雑巾、幼稚園で使う小物ややぶけた衣類などをミシンや裁縫道具で縫ってくれる裁縫ボランティアさんが来てくれていました。
「施設と関わるボランティア」というと、子どもと接するものを連想しがちですが、職員さんの業務を減らすような関わり方もあるようです。
裁縫ボランティアさんは女性のかたが多く、基本的に子どもたちが学校に行っている間に作業をしてくれていました。
早く学校が終わった時にすれ違う…くらいの面識でしたが、目が合うとニコッとしてくれて安心した記憶があります。
施設で開催するイベントの手伝い
児童養護施設では1年を通してさまざまな行事があるとお伝えしました。
児童養護施設の暮らし【10年間暮らした施設出身モデルが解説】そのなかで外部のひと、いわゆる地域の人が手伝ってくれるものもあります。
どのような形でボランティアを募集しているのかはわかりませんが、おもちつき大会やバザーといった、地域の人を招いて開催するイベントには、数名のボランティアさんがきてくれていました。
2)地域イベントに招待
10年間、児童養護施設で暮らしたわたしの感覚値にはなりますが、外部の人とのつながりとして一番多かったのが「地域の人との関わり」だと思います。
これは施設をよく見せようとして言っているのではなく、わたしの素直な気持ちです。
児童養護施設で暮らしている間に参加した地域のイベントは以下の通りです。
- 老人ホームの納涼祭で神輿担ぎ
- 母子生活支援施設の夏祭りに参加
- 児童館のお祭りに出店
全体的に福祉色の強いつながりにはなりますが、お祭りを通して地域の人とかかわる機会が毎年ありました。
3)イベントを企画する
頻繁にあるわけではありませんが、児童養護施設を支援したい!という思いのある方々からのご好意で「招待行事」があります。
また、それ以外にも、休日の数時間を使って子どもたちに施設内でできる体験イベントを準備してくださる方もいます。
ほんの一例にはなりますが、児童養護施設の子と接点をもつきっかけになれば嬉しいです。
子どもたちを招待してお出かけ
代表的なものにディズニーランド、ユニバーサルスタジオジャパン、子ども向け職業体験施設 キッザニアへの招待があります。
招待してくださるかたの意向にもよりますが、一緒に遊びに行くケースもあります。
知らない人とディズニー行くことになってちょっと気まずかった記憶があるけど、何十人分も招待してくださるなんてすごいことよね、、、
また、テーマパークへの招待だけでなく、イタリアンレストランで食事をできる場を用意してもらったり、礼服を来ていくような会食の招待もありました。
※今回は外部の人との関わりというテーマなので、チケットだけ招待といったケースは除いています。
施設内で行うイベント
学校が休みの日をつかって、施設内でできる催し物や体験の場を用意してくださることもあります。こちらも、わたしの施設に限った事例にはなりますが、「こういう関わり方もあるんだな〜」と思っていただけたら嬉しいです。
- 乗馬体験
- そば打ち体験
- 犬との触れ合い体験
こうしたイベントを企画してくださる方の中には、個人の方もいらっしゃいましたが、多くの場合がロータリークラブさんやライオンズクラブさん、そして青年会議所さんといった社会奉仕団体であり、地域の社会奉仕団体に所属している人たちとは「顔の見える関係性」ができていました。
ちなみに、現在、わたしが所属している社会奉仕団体「大宮東ローターアクトクラブ」でも、毎年施設の子どもたちを招いてクリスマス会を主催しています!
聞いてみた!ボランティアや支援を始めるには?
ここまで読み進めてくださり、ありがとうございます。
読みながら「じゃぁ、どうやったら接点をもてるの?」という疑問をお持ちになったと思います。
わたし自身、全国の児童養護施設とつながりがあるわけではないので、周りの人がどのような手順でボランティアを始めたのか知りませんでした。
しかし今回はみなさんにお伝えするために、実際にボランティアをしている人と、全国児童養護施設協議会の方に、ボランティアや支援をするまでの流れを聞いてみました。
1)ボランティアをしている人の回答
わたしの周りに児童養護施設でボランティアをしている人が何名かいるので、その方に了承をいただき、どのようにしてボランティアの実現に至ったのか、まとめてみました。
児童養護施設にカットボランティアをしている方
直接施設に問い合わせてもセキュリティーが高く、ボランティアを断られてしまうと聞いていたので、施設とつながっている人がいないか、知人に聞いたり、思いを語ることから始めました。
そうしてご縁ができ、いまでは東京都の2施設、ボランティアカットをしています。
ボランティア団体に所属している方
最初のきっかけは簡単にいうと「誘われたから」です。先輩だから、とりあえず聞いておけば顔は立つかな、、、くらい。しかし、その場で聞いた社会課題は、違う場面でも聞く機会があって「これはやらなきゃ」と直感的に思いました。
とりあえずやれるだけやってみよう、ということでボランティアに登録し、さっそく研修を受けました。そこでは、プログラムの目的や関わり方などの基本的なこと、スケジュールも半年におよび、かなりコミットメントを求められる内容だったので「正直、コレできるかな」という感じでした。
研修を経てボランティアを始めて7年。普通に過ごしていたら経験できないことや様々な出会い、今では全てが、かけがえのない財産です。
2)全国児童養護施設協議会の回答
少し緊張したのですが、全国児童養護施設協議会に問い合わせをし、支援をしたいと思った時に窓口となる場所があるのか聞いてみました。
児童養護施設に物品などの支援をしたいとき、窓口となる場所はあるのでしょうか?
基本的に支援を希望する方が支援したい児童養護施設を検索し、直接問い合わせてもらっています。
全国の施設を支援したい場合、または都道府県を絞って支援したい場合は、協議会が施設長をつなぐこともあります。
基本的にじぶんで児童養護施設を選び、問い合わせをするようお願いしているみたいです。
ただ、先ほどの美容師さんが言っていたように、施設とつながりのない人が問い合わせをしても施設側の判断で断られてしまうこともあると思います。
もし、そういった観点で「直接問い合わせるのは不安」と思った方がいらっしゃいましたら、全国児童養護施設協議会の窓口に問い合わせをし、仲介してもらってもいいかもしれませんね。
ボランティアの募集状況がわかるサイト
ボランティアをしよう!と決めて、実際に行動に移したみなさんの想いを聞いて「素敵だな〜」と思いながら書いていました。(協力してくださったみなさん、ありがとうございます!)
先ほどの経験談をもとに「ボランティアをしよう」と考えたときにできる行動は大きく分けて3つです。
- 児童養護施設と繋がっている人を探す
- ボランティア団体に登録する
- 直接施設に問い合わせる
どの方法にしてもハードルが高く感じるな〜
一覧で見れる場所はないのかな?
そう思っていたときに見つけたのがNPO法人チャイボラさんが運営している社会的養護 総合サイト「チャボナビ」です。
こちらのサイトは施設の求人情報や見学会の情報がメインに掲載されていますが、施設がボランティアを募集しているかも検索することができます。
検索を押すと、募集している施設が一覧で出てきます。
実際にチャイボラさんに「ボランティア情報はどれくらいの頻度で更新していますか?」と問い合わせをしたところ、「3ヶ月に一度情報を更新している」とのこと。
問い合わせをする際には「チャボナビをみたんですけど!」って伝えると、どこから情報みつけたか分かるので施設と話をするときにスムーズかと思います。
「直接問い合わせるのが不安だな〜」という方はぜひ、チャボナビを活用してみてはいかがでしょうか?
まとめ
- 施設の子どもたちと直接繋がる方法としては、「日常生活に関わるボランティア」や「地域イベントへの招待」や「イベントを企画する」などがあります
- 日常生活に関わるボランティアは以下の通り
・学習ボランティア
・習いごとのボランティア
・裁縫のボランティア
・施設内行事のボランティア - 「ボランティアをしよう」と考えたときにできる行動は大きく分けて3つ
・児童養護施設と繋がっている人を探す
・ボランティア団体に登録する
・直接施設に問い合わせる - 社会的養護 総合サイト「チャボナビ」でもボランティアを探せます
いかがでしたでしょうか?
今回は、施設に来てくださっていたボランティアさんのことを思い出しながらまとめさせていただきました。「支援したい!」と、なにかしらのアクションを起こそうと思っても、その方法を知る手段がまだまだ認知されていないんだなと思うと同時に、わたしも知らないことだらけだな〜と気づかされました。
「施設の子どもたちのために何かしたい!」という優しい気持ちが、スムーズにアクションへと結びつけるような情報発信についても、今後取り組んでいきたいと思っていますので、これからも「たすけあい」をよろしくお願いします!