夢を描き、未来を味わう「夢アイスプロジェクト」とは?

「言っても無駄だ…」
「どうせ無理って言われそう…」

児童養護施設で生活をしてい中学生の頃。モデルになりたいという夢に気づいたとき、わたしの心のなかはこんな気持ちでいっぱいでした。

自分のやりたいことにせっかく気づいたのに、身近にいる人に否定されるのが怖くて誰にも言えなかったのです。

「夢は変わってもいいから、日常で夢を語り合う時間が増えたらいいな。私みたいに、自分の気持ちに蓋をする子を少なくしたい!」。そんな思いから夢アイスプロジェクトはスタートしました。

この、夢アイスプロジェクトを実施するねらいは2つあります。

一つ目は自分と同じ境遇である先輩の話を聞くことで、目標に向かって努力する力を感じ取ることができます。そして二つ目は、アイスクリームを一緒に食べる時間を通して自然に心が開き、お互いの夢を応援し合う温かいつながりを育んでいきます

夢について話すと止まらないのですが…

今回の記事では夢アイスプロジェクトを実施した当日の様子をご紹介します!

夢アイスプロジェクトとは?

一般社団法人ゆめさぽが取り組むアクションです。

子どもたちが自分の夢を表現をすることで、夢の実現に向けての第一歩を踏み出すきっかけをつくることを目的に2023年8月からスタートしました。

さらに、大人と一緒にアイスクリームを食べながら楽しい時間を過ごすことで、施設で育った先輩たちとのつながりをつくり、子どもたちの自己肯定感を高めることを目指しています。

当日の流れ

集まる子どもの人数によって変更もありますが、ある日の夢アイスプロジェクトの様子を紹介します。

①先輩の話を聞いてみよう!

児童養護施設等で生活をしていた先輩がどうやって夢を叶えたのかを聞く時間。

わたしは18歳で施設を出たあと、短期大学に行って保育士を取得したことや、中学校の頃から憧れていたモデルの夢を叶えたことをシェアしました!

②夢を描く時間

先ほど聞いた先輩の話を踏まえて、施設を出たあとの夢や、今叶えたいことを自由に描いていきます。

一人一枚画用紙を渡すので、文字だけでもイラストでも、職員に手伝ってもらっても良いので思い思いに夢を描いていきます。

これまで聞いた夢の種

〈幼児さん〉
ケーキ屋・魔法使い・警察官

〈小学生〉
サッカー選手・画家・ネイリスト

〈中学生〉
保育士・YouTuber・夢を探す

〈中学生〉
高校卒業・一人暮らしをする・お金を貯める

子どもたちだけでなく、職員さんや施設長さんにも参加してもらいます!大人の夢を聞くと「そんなのが夢なの!?」という反応もあるのですが、関係性を深めるきっかけとして大人の参加も大切にしています。

③夢シェアタイム

画用紙に夢を描いたら、次は他の人の夢を聞く時間に移ります。

他の人の話を聴くことで、その人の新しい一面を知ることができるのはもちろん、「その夢もいいな」と感じることで、人生の選択肢が広がるからです。

相手の話を聞くときの約束は、「絶対無理」「難しいんじゃない?」など、夢を否定するような言葉を言わないこと。

誰がどんな夢を抱いていようと、「できるできる!」「叶う叶う!」という応援の気持ちを込めて拍手をします。

最初の一言目がなかなか出てこない…そんな場面もあるのですが、2人で一緒に発表をしたり、夢を言ったらすぐに立ち去ったり、思い思いに発言してくれる姿が一番好きな瞬間です。

④夢アイスを食べよう!

夢シェアタイムでその場が拍手と声援でいっぱいになったところで、美味しいアイスをプレゼントします!自分の好きな味を選びます!

※アイスを食べるタイミングは夢シェアタイムの前になることもあります

未来に想いを寄せて、誰かに聞いてもらえて、受け止めてもらえて…そうした後のアイスタイムはいつもより美味しく感じます!私だけじゃないといいな(笑)

参加した職員の感想

ここで、日頃の生活を見守っている職員さんの感想を紹介します!

あの子が描いた夢は、お父さんが就いている職業なんですよね。日常生活の場では聞いたことがなかったので驚きました。

中学生が描いた「ニート」という夢は、普段お父さんから「ちゃんと働け」と言われている反動のような気がしました。本当にニートになる気はないんですが、心の声が現れたのかもしれないです。

田中さんが来るのを楽しみに待っていた女の子がいました。事前に本も読んでいて。こどもたちの夢を応援してくださりありがとうございました!

まとめ

それでは、今回の記事のまとめです!

  • 夢アイスプロジェクトは一般社団法人ゆめさぽが実施する取り組みです
  • ゆめさぽは近畿地方の社会的養護のもとで暮らす高校3年生を対象とした受験料の給付事業「進学応援プロジェクト」をメイン事業として行っている団体です
  • 当日は施設で育った先輩がどうやって夢を叶えたのかを聴いたり、他の人の夢を聴いたりして、将来のことを考えて表現する時間にします
  • 近畿地方の社会的養護(児童養護施設、自立援助ホーム、児童心理治療施設、児童自立支援施設、里親家庭、ファミリーホーム)が対象ではありますが、ご希望の際にはゆめさぽの公式ホームページよりご連絡ください

いかがでしたでしょうか?

夢アイスプロジェクトは、子どもたちが自分の夢を自由に描き、その夢をみんなで分かち合う温かい時間を作る取り組みです。

アイスクリームを食べながらリラックスした雰囲気の中で、子どもたちは「自分の夢が叶うかもしれない」という前向きな気持ちを感じることができます。そして、児童養護施設等で暮らす先輩たちの話や他の仲間の夢を聞くことで、新しい可能性に気づく瞬間もたくさん生まれます。

このプロジェクトは、夢を語り合うことで子どもたちの心が少しでも軽くなり、自分の未来に自信を持てるようサポートをしたいという思いからスタートしました。

これからも、もっと多くの子どもたちが「夢を持つ楽しさ」を感じられるよう、夢アイスプロジェクトを続けていきたいと考えています。

もしこの活動に興味を持ってくださったら、ゆめさぽのホームページからご連絡ください!

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