自立援助ホームでの暮らし!

前回の記事で、自立援助ホームは義務教育を終了後、何かしらの理由で家庭に居られなくなった未成年の子ども(15歳〜20歳、学生の子は22歳)が暮らせる施設で、利用料を支払って生活しているということをお伝えしました。

でもそれって、利用料の有無や15歳以下の子どもがいないって違いはあれど、児童養護施設とどう違うの?

そう思っている人もいるかもしれませんが、自立援助ホームでの暮らしと、児童養護施設での暮らしにはいくつかの相違点があります。

今回はそんな自立援助ホームの暮らしについて、生活のルールや休日の過ごし方について、自立援助ホームの職員さんにインタビューした内容をもとに紹介していこうと思います!

自立援助ホームの暮らし|日課やルール

自立援助ホームは義務教育を終了後、何かしらの理由で家庭に居られなくなった未成年の子ども(15歳〜20歳、学生の子は22歳まで)が一緒に暮らす「シェアハウス」だと考えていただけるとイメージしやすいかと思います。

自立援助ホームを知るにあたり、大前提として「ルールはホームによって違う」ということを念頭に入れておいていただきたいです。

現在、自立援助ホームは全国に189ヶ所(2020年6月1日時点)あるので、全ての施設についてお伝えすることはできませんが、

今回は全国自立援助ホーム協議会に掲載されている「施設一覧」から、ウェブサイトに記載のあったホームの日課やルールを紹介していきたいと思います。

日課の例

一覧を確認する限り、起床時間や朝食・夕食また門限などの決まりを定めているところは少ないようです。

取材した施設職員の方も以下のように言っていました。

それぞれの生活スタイルを尊重して、起床時間やご飯の時間を設けていない場合が多いです。

一方で、設けている施設もありましたので、その一例をご紹介すると以下のようになります。

ご飯の時間 朝食7:00・夕食18:00

門限 早くて21:00・遅くて23:00

門限が決まっている施設だと、夜勤で働くことは難しそうですね。

入居のルール

さまざまな自立援助ホームのウェブサイトを見ていくと、暮らしのなかで「これは守ろうね」とされている約束は、共通して3つありました。

それは ①働くこと ②利用料を納めること ③生活に関わること です。

一つ一つ見ていきましょう。

①働くこと

例1  勤務時間はなるべく、朝からの仕事を探してください

例2 自立してひとり暮らしを維持していくために、1日6時間以上 週5日働くことを目標にしましょう

次でも触れますが、自立援助ホームは利用料を払わなくてはいけません。
そのため、たとえ進学していたとしても、アルバイトすることが求められるようです。

ちなみに施設の中には学生の負担を軽減するために利用料をとっていない場所もあるそうです。

その場合、運営費の財源をどうしているのか、気になります。

②利用料を納めること

利用料については、ホームを退去してからひとり暮らしをすることを想定して、きちんと支払うことを大切にしているホームがたくさんありました。

前回の記事でも紹介しましたが、利用料の金額はホームによってさまざまでした。

安いところで20,000円・高いところで45,000円・平均は30,000円でした。

先ほども記述しましたが、利用料を徴収していないホームもあります。よって、そのホームの利用料は0円です

また、利用料の支払い日もホームによってさまざまでした。

  1. 給料日に徴収
  2. 毎月25日に徴収
  3. 前月末日に徴収
  4. 翌月10日に徴収

③生活に関わること

生活に関わるルールとして挙げられていたのは

  • 周りの人や地域の人に迷惑をかけないこと
  • 外泊はスタッフと相談すること
  • 部屋に火器をもちこまないこと
  • 利用者同士で物の貸し借りをしないこと
  • 友だちをホームに泊めるのは禁止

というのがありました。

年齢の高い子が多いので、本人の意思を尊重し、ルールをたくさん作っていないホームが多いと思います。

どれくらいの子が学校に通っているの?

ちょっと前までは、施設から高校へ行かない子たちの場所として自立援助ホームが機能していましたが、いまは家庭からくる子が増えたこと・進学している子が増えたことが、大きく変化したことの一つです。

職員さんが言っているように、厚生労働省の「児童養護施設入所児童等調査の概要」(平成30年2月1日)をみると、「その他」の詳細はわかりませんが、就職者よりも進学者のほうが多いことがわかります。

以下が詳細バージョンになります。

義務教育を終了した子どもが入居するはずの自立支援ホームに中学生がいることは驚きです。

塾について

つづいて塾についてです。

児童養護施設と同様に大学へ進学するための塾代が出るのかを尋ねたところ、決まった予算がなく、通う場合は実費ということを知りました。

また、自立援助ホームで働く職員さんは、ホームをでたあとの進路について、こう言っていました。

暮らしている子の多くは、高校を出て働くほうに重きを置いている子が多い気がします。

実際にどうなっているのか、調査データをみてみたいと思います。

先ほどと同じく、厚生労働省の「児童養護施設入所児童等調査の概要」(平成30年2月1日)をみると、

大学・短大の進学を希望する子が27.5%、考えていない子が30.3%、希望しない子が36.1%となっています。

また、学年別の進学希望者数をみてみると中学生・高校生共に「進学希望者」より「進学を希望しない子」の方が多いことがわかります。

少し話が脱線してしまったのですが、自立援助ホームをでたあとの現状については、引き続き調べていきたいと思います。

放課後や休日等、余暇の過ごし方は?

それでは、仕事や学校以外の時間はどんな過ごしかたをしているのでしょうか?

職員さんはこう言っていました。

職員さん
職員さん

児童養護施設と異なり、自由に外泊して良いことになっているので、友だちの家に遊びに行ったりしています

また時間があれば、近くの公園で一緒にバスケをしに行ったり…食材や日用品の買い物に付き合ってもらうこともあります。

職員さんとお話しした中で「平日は学校・アルバイト…それぞれ忙しいので、休みの日くらいゆっくりさせてあげたい」と言っていたのが印象的でした。

アルバイトについて(職種)

入居者は利用料を支払わなければならないので、学校以外の時間はアルバイトをしている子が多いそうです。

実際にどんなアルバイトをしているのか、聞いてみました。

職員さん
職員さん

学生が多いのでコンビニが多いですね。求人率と合格率が高いのも魅力の一つです。他にはスーパー、飲食店です。

職員さん
職員さん

余談ですが、就職するとき、そのままコンビニに就職する子がいます。バイトを継続して行えていたことから「バイトから正社員へ」という子が多いです。

クリスマスやお正月などのイベントはあるの?

こちらについてもホームによって異なりますが、調べていくと夏には小旅行・冬にはクリスマス会・年明けに餅つき大会をしているホームがありました。

インターネットやケータイについて

児童福祉施設でも家庭と同じように、施設内でWi-Fiが設置される場所が増えてきました。

インターネットについて

自立援助ホームでもホームによって異なりますが、Wi-Fiが使えるところがあるようです。

職員さん
職員さん

うちのホームにもWi-Fiが設置されていますが、利用の条件があって、学校へ行っている子・バイトをサボらずに行っている子としています。

また、前回の記事に掲載した利用料の一覧表には、インターネットの接続費は毎月2,000円としているホームがありました。

職員さん
職員さん

毎月接続費を徴収しているホームは、ホームをでたあと、Wi-Fiって月額の利用料かかりますよね?それを見越しているんだと思います。

パソコンについて

多くの児童養護施設では「子ども用パソコン」が設置されていましたが、自立援助ホームには「子ども用パソコン」を設置しているホームが少ないそうです。

なぜなら、大半の入居者は働いており、自前でスマートフォンを持っており、調べものはそれで済ませられるからだそうです。

スマホの所有者が多いのは、アルバイトをすることが絶対ではなく、且バイトをしないとスマホを持てない児童養護施設との違いでもありますね。

ケータイ・スマートホンの「保証人」について

さて、利用者の多くは自腹でスマートホンを所有しているわけですが、ここでみなさんが気になるのが「保証人」問題であると思います。

結論からいうとホームで暮らしている間は自立援助ホームが法定代理人となるので、親を保証人に立てられなくてもケータイをもつことができます。

ケータイの所有については、3つのパターンがあるみたいです。

1つ目は入居前からもっているケース2つ目は入居後、親を代理人として契約するケース3つ目は自立援助ホームを法定代理人として契約するケース です。

諸々のお金事情について

ここまで、自立援助ホームの生活や余暇の過ごし方について紹介してきましたが、ここでお小遣いや医療費など、諸々のお金の事情について、児童養護施設との比較しながら確認してみます。

児童養護施設自立援助ホーム
お小遣い×
お年玉×
散髪代実費
医療費実費

このように、生活に関わるお金についても、児童養護施設と比べると、そのほとんどが実費であることがわかります。

まとめ

  • 起床時間や朝食・夕食時間などの日課については、それぞれの生活スタイルを尊重して設けていない場合が多い
  • 多くの施設で共通するルールは3つ
    ①働くこと②利用料を納めること③生活に関わること
  • 大学へ進学するための塾代は実費の場合が多い
  • 休日や余暇は外泊など自由に過ごせる
  • アルバイトはコンビニ・スーパー・飲食店が多い
  • スマートホンの所持者が多いので、パソコンを設置していないホームが多い
  • 生活に関わるお金についても、児童養護施設と比べると、そのほとんどが実費である

今回記事をまとめていて、いくつか新たな疑問も生まれました。

例えば、児童養護施設と比較すると条件が厳しい中で、進学しているにもかかわらず、なぜ児童養護施設ではなく自立援助ホームに入居するのかです。

塾代ひとつとっても、児童養護施設にいる方が条件は良くなっていますよね?

もちろん、就職している未成年が暮らす施設であれば、なんの疑問もないわけですが、進学している場合は、数字上はあきらかに児童養護施設の方が待遇が良いわけです。

今回生まれた疑問を含めて、次回はより自立援助ホームのことを深掘りしていきたいと思います!

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