里親になるには?研修から登録までの流れ

里親ってどうやったらなれるのかな?

そのような疑問を持ったことありませんか?

また、住んでいる地域(都道府県)によって、違うのかとなどの疑問を持ったことはありませんか?

結論から言うと、申請者側にはほとんど違いはありませんが、住んでいる市町村の規模によって審査の流れに多少の違いがあります。

今回は「里親になるにはどのような流れがあるのか」、厚生労働省が公開している情報を参考にしてお伝えしていけたらと思います!

里親になるための条件とは?

まずは簡単に里親制度のおさらいをします。

里親制度は、さまざまな事情で家族と離れて暮らす子どもを、自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解を持って養育する制度です。

厚生労働省HPより

里親制度の詳しい概要については以下の記事でまとめています!

里親とは?

では、さまざまな事情で家族と離れて暮らす子どもをじぶんの家庭に迎え入れて育てていくためには、どうしたらいいんだろう?

ここで、里親になるために必要な条件(資質)として、厚生労働省の資料を紹介します。

必要な条件として挙げられているのは以下の3つです。

  1. 要保護児童の養育についての理解及び熱意並びに児童に対する豊かな愛情を有していること。
  2. 経済的に困窮していないこと(親族里親は除く。)。
  3. 里親本人又はその同居人が次の欠格事由に該当していないこと。

欠格事由は以下の4つです。

4つの欠格事由
  • 成年被後見人又は被保佐人(同居人にあっては除く。)
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
  • 児童福祉法等、福祉関係法律の規定により罰金の刑に処され、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
  • 児童虐待又は被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者
  • 引用)里親制度(資料集)令和元年10月 厚生労働省 子ども家庭局 家庭福祉課

    よって上記の欠格事由にあてはまる人は里親になることができません。

    たまに「経済的に困窮していないこと」について質問をされます。

    さいたま市のホームページでは「子どもを迎え入れても生活に困らないくらいの収入があれば大丈夫です」と記載されていますが、実際困らないくらいの年収って幾ら位なんでしょうね…

    里親になるための窓口は?

    条件はなんとなくわかったけど、里親になるための窓口はどこなんだろう?

    結論からいうと、「里親になりたい!」と思ったかたはまず、じぶんの住んでいる地域の児童相談所を検索しましょう。

    なぜかというと、住んでいるに地域によって、担当している児童相談所が違うからです。

    今回はさいたま市に住んでいる里親希望のかたを例に、どこの児童相談所へいくべきなのかをみていきます。

    以下の図にあるように「さいたま市西区」に住んでいる人は「さいたま市北部児童相談所」が窓口で、「さいたま市中央区」に住んでいる人は「さいたま市南部相談所」が窓口になるんですね

    住んでいる地域窓口となる場所
    西区、北区、大宮区、見沼区、岩槻区さいたま市北部児童相談所
    中央区、桜区、浦和区、南区、緑区さいたま市南部児童相談所

    おまけ|児童相談所とは?

    ここから登録までの流れについて確認する前に、里親を知る上で欠かせない「児童相談所」について簡単に説明したいと思います。

    児童相談所とは、児童福祉法に基づいて設置される行政機関です。


    原則18歳未満の子供に関する相談や通告について、子供本人・家族・学校の先生・地域の方々など、どなたからも受け付けています。


    児童相談所は、すべての子供が心身ともに健やかに育ち、その持てる力を最大限に発揮できるよう家族等を援助し、ともに考え、問題解決していく専門の相談機関です。

    東京都福祉保健局HPより

    その役割は多岐にわたり、相談の受付や助言一時保護(必要がある場合に子どもを家ではなく一時保護所で預かること)、そして、里親制度の広報や認定といった総合的な窓口としての機能などがあります。

    詳しい内容は別の記事にまとめたいと思うんですが、今回は「管轄はどこなのか?」についてみていきます!

    児童相談所は全国に220ヶ所(厚生労働省 令和2年7月1日現在)あり、児童福祉法等で設置のルールが決められています。

    児童相談所は都道府県・政令指定都市に設置の義務が課せられており、設置する施設数は人口50万人に最低1ヶ所程度が必要とされています。

    現在は都道府県だけでなく、中核市(人口30万人以上)・特別区(東京都23区)でも児童相談所を設置できるようになりました。

    里親の申し込みから登録について

    「里親になるには児童相談所へいく」ということがわかったところで、申し込みから登録までの全体像を見てみましょう。

    実際に里親希望のかたが直接的にかかわる手続きは次の5つになります。

    1. 居住地の児童相談所に行き、概要(ガイダンス)について説明を受ける
    2. 基礎研修を受講する
    3. 養育里親として登録したい人は「登録前研修(厚生労働省資料だと「認定前研修」)」を受講する
    4. 必要書類と修了証を持参し、児童相談所に里親申請を行う
    5. 里親申請者が里親として適当であるかどうか、児童相談所の職員さんが家庭訪問等を行う

    この手順を終えると、児童相談所設置自治体がこの人は適正かどうか、児童福祉審議会に諮問(相談・意見徴収)し、それを経て里親として認定されます。

    児童相談所での申請から認定までの流れ

    登録までの全体像がわかったところで、認定までどのような機関がかかわっているのかを見ていきます。

    1. 児童相談所は調査結果をふまえた意見を首長(知事・市長・区長)に提出します
    2. 首長は、里親認定の可否について、児童福祉審議会に諮問(相談・意見徴収)します
    3. 児童福祉審議会の審議結果をもとに、首長が里親として適格であると判断された者は里親として認定され、里親登録簿に記載します

    (参考)『養育里親研修テキスト(平成29年10月改訂)』(公益財団法人 全国里親会)をもとに加筆

    登録までの流れと認定までに関わる関係機関についてわかったところで、認定までの期間について、とある里親さんの声紹介します。

    養育里親さん
    養育里親さん

    地域によって審議会の開催回数が異なるので、審議会の審査が終わった直後の申請になると、つぎの開催まで数ヶ月間待たされることもあります。

    この事実は正直、知りませんでした。

    児童福祉審議会の開催を見越して研修プログラムを組んでいる地域もあると思いますので、研修から認定まで、最短でどれくらいかかるのか、ガイダンスを受ける段階で聞いてみたらいいかもしれませんね。

    基礎研修の内容について

    ここからは、研修の内容について紹介します。

    前述した「里親登録までの全体の流れ」に「基礎研修」「登録前研修」というのが出てきましたが、この研修をうけないと里親に登録することはできません。

    2008年までは研修が義務ではなかったのですが、2009年に養育里親と専門里親については研修が義務化、2017年には養子縁組里親についても研修が義務化されました。

    このように、さまざまな事情で家族と離れて暮らす子どもをじぶんの家庭に迎え入れるためには、研修を受けることが必須になっています。

    2009(平成21)年養育里親と専門里親について、研修を義務化
    2017(平成29)年養子縁組里親を法定化し、研修を義務化
    研修の義務化に関する年表
    (『里親制度(資料集)(令和元年10月)』厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課)

    里親には大きく分けて4つの区分があるのですが、希望する里親によって受ける研修も変わってきます。

    養育里親を希望する人 養育里親研修

    専門里親を希望する人 養育里親研修+専門里親研修

    養子縁組里親を希望する人 養育里親研修+養子縁組里親研修

    すべての研修に共通し、根っこになるのが「養育里親研修」なんですね〜

    では一体、どんな研修を受けるのでしょうか?

    厚生労働省が示している研修内容例をみていきます。

    ①基礎研修

    基礎研修は養育里親を希望する人を対象とした研修で、児童相談所等において説明を受けた後、里親制度の概要など、基礎的な事項を学ぶ研修です。

    研修期間は 1日+実習1日程度 となっています。

    基礎研修の目的
  • 社会的養護における里親制度の意義と役割を理解する
  • 今日の要保護児童とその状況を理解する(虐待、障害、実親がいる等)
  • 里親にもとめられるものを共有する(グループ討議)
  • 内容(例)
  • 里親制度の基礎 I
  • 保護を要する子どもの理解について(例:保護を要する子どもの現状、児童虐待問題)
  • 地域における子育て支援サービス(例:地域における子育て相談・各種支援サービス等)
  • 先輩里親の体験談・グループ討議(例:里親希望の動機、里親にもとめられるもの)
  • 実習(児童福祉施設の見学を主体にしたもの)
  • 研修の実施をする機関は都道府県に限らず、法人やNPO等でも可能となっているため、実施機関によって研修内容が異なっています。

    参考)里親制度(資料集)令和元年10月 厚生労働省 子ども家庭局 家庭福祉課

    ②認定前研修

    認定前研修は基礎研修を受講し、里親になる決意を固めたあと、里親制度や里親として養育していくことの基本事項を学ぶ研修です。

    この研修を終えると養育里親として認定されます。

    研修期間は 2日+実習2日程度 となっています。

    認定前研修の目的
  • 社会的養護の担い手である里親
    として、子どもの養育を行うために必要な知識と子どもの状況に応じた養育技術を身につける
  • 内容
  • 里親制度の基礎 II (里親が行う養育に関する最低基準)
  • 里親養育の基本(マッチング、交流、受託、解除までの流れ、
    諸手続等)
  • 子どもの心(子どもの発達と委託後の適応)
  • 子どもの身体(乳幼児健診、予防接種、歯科、栄養))
  • 関係機関との連携(児童相談所、学校、医療機関)
  • 里親養育上の様々な課題
  • 児童の権利擁護と事故防止
  • 里親会活動
  • 先輩里親の体験談・グループ討議
  • 実習(児童福祉施設、里親)
  • 認定前研修は基礎研修と比べて「概要」よりも「実際に子どもを迎え入れたあと」を想定した内容が盛り込まれているんですね〜

    参考)里親制度(資料集)令和元年10月 厚生労働省 子ども家庭局 家庭福祉課

    ③更新研修

    更新研修は里親の認定登録を更新するための研修です。

    里親の登録には有効期間があるので、期間が終了するまえに、最近の社会情勢や養育上の課題を深める更新研修を受講する必要があります。

    それぞれの登録有効期間は以下の通りです。

    養育里親5年
    専門里親2年
    養子縁組里親5年
    里親の登録有効期間

    研修期間は 1日程度(未委託の里親の場合は、施設実習1日が必要) となっています。

    更新研修の目的
  • 養育里親として児童の養育を継続するために必要となる知識、新しい情報等を得る。
  • 内容
  • 社会情勢、改正法など(ex 子どもをとりまく最新情勢、児童福祉法・児童虐待防止法改正等の制度改正)
  • 児童の発達と心理・行動上の理解など(ex子どもの心理や行動についての理解)
  • 養育上の課題に対応する研修(ex受講者のニーズに考慮した養育上の課題や対応上の留意点)
  • 意見交換(ex受講者が共通に抱えている悩みや課題についての意見交換)
  • 5年で更新研修を受けることを里親さんたちはどう感じているのでしょうか?ちょうど良いのか、長いのか…ちょっと気になります。

    参考)里親制度(資料集)令和元年10月 厚生労働省 子ども家庭局 家庭福祉課

    まとめ

    それでは、今回の記事のまとめです!

    • 里親になりたい!と思ったかたはまず、じぶんの住んでいる地域の児童相談所を検索
    • 児童相談所等でガイダンスを受け、基礎研修と登録前研修を受講する
    • 児童相談所による家庭訪問・調査→首長から児童福祉審議会に諮問(相談・意見徴収)→児童福祉審議会の審査をもとに首長が里親認定を行う
    • 基礎研修は1日+実習1日程度
    • 登録前研修は2日+実習2日程度
    • 更新研修は1日程度(未委託の里親の場合は、施設実習1日が必要)

    いかがでしたでしょうか?

    これらの段階を経て里親に登録されると「里親認定通知書」が送られ、自治体によっては「認定式」を行う地域もあるそうです。

    以前、里親さんにインタビューさせていただいた際に、名称は覚えていないのですが、里親の証明書を見せてもらいました。保険証くらいの大きさのものです。

    また、さいたま市では基礎研修と登録前研修の有効期間を設定しており、自治体によって多少の差はあります。

    今回は里親になるための概要の説明になりましたが、この記事をきっかけにお住まいの児童相談所のことや里親制度のことを検索する人が一人でも増えたら嬉しいです。



    Photo by つっきー

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