退所後も、帰れる場所をつくりたい|自立支援強化事業で行う退所者の居場所「福カフェ」
福カフェってどんな場所?
福カフェは、私の出身施設「児童養護施設 福音寮」で行っている取り組みです。
私が思うこれまでのアフターケアは、第三者の大人が中心となって運営する場所。
知らない人がいる場所に行って、そこで相談したり、支援を受けたりする。もちろん、それはそれで、社会とのつながりが広がる大切な機会だと思います。
でも、私はずっと思っていました。
育った施設で行う、施設中心のアフターケア(居場所)があってもいいんじゃないかな、と。

- 施設を出たあとも、帰れる場所があること。
- 自分のことを知っている職員さんに会えること。
- 「あの頃の私」を知っている場所で、今の自分として過ごせること。
それって、すごく大きな安心感になるんじゃないかなと思ったんです。そんな思いを理事長に話したことがきっかけで、福カフェは2021年10月から始まりました。
児童養護施設主体のアフターケア
日にち:毎月一回
時間:12:00〜15:00
「福カフェ」の名前は施設にいた子が考えてくれました
福カフェの特徴
当事者が行う当事者のための活動
福カフェは、言い換えると施設の後援会のような取り組みです。その施設で育った卒園生が中心となって、自分たちにできることを少しずつ形にしていきます。
上記で紹介したごはん会のほかにも、福カフェとしてこんな活動をしています
- 施設で行うおまつりのブース出展
- 卒園式への来賓出席
- 施設行事に卒園生として参加
※福カフェで始めた毎月一回のごはん会は、現在、自立支援担当職員という支援員が中心となって運営する居場所になりました。
退所後も帰ってこられる機会をつくること。
そして、「支援する側」「支援される側」ときっぱり分けるのではなく、育った場所に少しずつ関わり直していくこと。
福カフェは、そんな関係性を育てていく取り組みでもあります。

運営費について
福カフェは、寄付を原資に運営しています。
これまで、おまつりの出展で得た売上の一部を活動費にしたり、施設をでる高校3年生へのプレゼント代(毎年カタログギフトを渡しています)に充てたりしてきました。
ですが、昨年からは、東京都の「自立支援強化事業補助」の対象となり、毎月のごはん会にかかる食事代や交通費なども、補助の対象となるようなりました。
福カフェのように、退所後も施設とつながり続けられる居場所づくりが少しずつ制度のなかでも支えられるようになってきたのは大きな一歩です。
新設|自立支援強化事業補助で食事代が出る
児童養護施設二葉園でも同じような取り組みを実施しているようです。
2月21日、「卒園生のつどい」を開催しました。
この催しは、卒退園生が学園を訪れ、交流できる場として実施しているものです。東京都の自立支援強化事業の一環として、卒退園生の自立を支えていくことを目的としています。
当日は、学園ホールで食事を囲みながら、近況報告や思い出話に花が咲き、あたたかな時間が流れました。
今年度は定期的に開催しており、卒退園生が学園とのつながりを実感できる大切な機会となっています。
今後も、卒退園生が気軽に戻ってこられる居場所づくりを続けてまいります。
活動を始めた当初は、手探りで続けてきた福カフェ。
でも、こうして制度の後押しも受けながら続けられるようになったことは、すごく大きな変化だと思っています。

東京都の補助を受けて実施している施設がまだ少ないようなので、少しずつ取り組みの輪が広がるといいな〜

おわりに|選択肢が増える世の中に
福カフェを続けていて感じるのは、退所後の支援には、いろいろな形があっていいということです。
- 施設を出たあと、まったく新しい場所で人と出会うこと
- 自分が育った施設にふらっと帰れること
- 同じ経験をした人と話せること
- 何も話さなくても、ただごはんを食べられる場所があること
どれかひとつが正解なのではなく、その人に合った選択肢があることが大切なのだと思います。
施設出身者だからできることもあります。
でも、施設出身者だけでできることには限りもあります。
だからこそ、職員さん、地域の人、行政、企業、そして社会的養護を経験した人たちが、それぞれの立場でできることを少しずつ持ち寄れるといいなと思っています。
今回の動画では、福カフェDayの様子や、施設出身者だからできることについてお話ししています。
よかったら、あわせてご覧ください◎


