「オンライン越境学習特別企画」に登壇しました(主催:株式会社セブン&アイ・ホールディングス人財共育部)

2023年7月4日(金)セブン&アイ・ホールディングスの人財共育部が主催する、社員向けセミナー「「オンライン越境学習特別企画 越境学習じっさいのとこどうだった?」に登壇する機会をいただきました

テーマは越境学習『TSUMUGI』について。

この『TSUMUGI』という越境学習は、のちに詳しく説明をしますが、社会的養護を巣立った子たちの就労支援にもつながっている企業向け研修プログラムです。

実は、研修事業『TSUMUGI』の事業責任者であり、今回のイベントのコーディネーターを務める月川伸彦さんとは4年前からのお付き合い。事業立ち上げの前から対話を重ねていた背景があります。

私たちたすけあいは、細く長く人とつながることを大切にしてきましたので、今回こうして月川さんとご一緒できた活動について、みなさんに共有できることを大変うれしく思っています。

それでは、簡単ではありますが、当日の様子を報告させていただきます。

【主催者・協力者プロフィール】

月川 伸彦

株式会社セブン&アイ・ホールディングス

経営推進本部 経営推進部 新規事業開発担当

オンライン研修事業『TSUMUGI』事業責任者

(報告者 / 田中れいか)

越境学習『TSUMUGI』について

冒頭でも紹介しましたが、越境学習『TSUMUGI』は企業向けの研修プログラムです。「ある社会課題」を題材にし、受講者は数日(基本は全4回)に渡る研修を通して、課題解決の思考プロセスを学ぶことができます

この社会課題のテーマとなるのが「社会的養護」です。

研修にはチューターと呼ばれる社会的養護を経験した子が2,3名参加し、受講者からの質問に答えていきます。

受講者は社会的養護を経験した子たちとの対話を通して、「何が課題」で「何を解決したらチューターの子たちの課題が解決できるのか」を考えていきます

企業にとっては、日頃出会わない人との対話実践がユーザーの声を聴く貴重な経験となり、チューターの子たちにとっては企業で働く人との出会いを通して、就労のイメージや大人のイメージが変化していく。

「社会的養護にかかわりのない人に知ってもらうには絶好のチャンス!」といえる仕組みを研修化していて、素晴らしいアイディアだなと関心している取り組みの一つです。

加えて、参加しているチューターの子たちは、無償ではなく有償での参加。仕事として、この研修プログラムに参画しています。

私自身、オブザーバーとして参加をしたことがあるのですが、就職前の職業像を知るために参加している子や休職中の子、夢を追いかけながら参加している子がいました。

研修に参加しているチューターの子たちの姿を見る中で感じたのは、全4回の研修が1回ずつ終わるごとに一人一人の言葉に自信が湧いていたことです。

これは私の想像にはなりますが、自分の話に耳を傾けてくれる大人がいることへの安堵感がチューターの子たちへの安心感につながり、自分の言葉に強さが宿っていったのだと思います。

そして最終的には、チューターの子たちの過去への肯定感も上がっている様子が見受けられ、ライフストーリーワークという観点からも非常に素晴らしい研修プログラムだなと感じました。

この研修プログラムの受講者を株式会社セブン&アイ・ホールディングス内で広く募集していくために、社内向けイベント「オンライン越境学習特別企画 越境学習じっさいのとこどうだった?」が開催される運びとなりました。

イベント当日の様子

当日はハイブリッド開催。開始時刻が18:00ということもあり、家に帰るまでの電車移動中に参加してくださるかたもいらっしゃいました。会場は女性の参加が多い印象でした。

当日のタイムスケジュールがこちらです。

当日のプログラム
第一部5分で紹介!社会的養護の現状当事者が思う研修プログラムの必要性
第二部受講者が感じた研修プログラムの魅力
質問タイム

第一部|パネルティスカッション

第一部の最初は、そもそも社会的養護はどんな領域のことなのかを5分でご紹介。企業向けはだいたい手短に端的に伝えることを求められるので、私にとっても挑戦的なパートでした

一通り話が終わってパッと時計を見たら5分過ぎていましたが、次は時間ぴったりで話せる気がしました。

導入として、参加しているみなさんに何となく社会的養護を知ってもらったあとは、オンライン研修プログラム「TSUMUGI」について、私からみた魅力をご紹介。

私も1回だけオブザーバーで参加させていただいたことがありましたので、その時のことを思い出しながら感想をお伝えしました。

第二部|受講生によるパネルティスカッション

第二部はオンライン研修プログラム「TSUMUGI」に参加したお二人が登場。タイプの違うお二人でしたので、正反対な感想が寄せられました。

例えば、「社会的養護を経験した子たち」と聞いた時に、ドラマやニュースで耳にしていた印象をもっていて「なかなか質問しにくかった」という人と、身構えずにフラットな気持ちで参加できたという人。

事前に社会的養護や児童虐待について検索をするなかで、情報サイトたすけあいが研修を受ける支えになったという受講者さんもいらっしゃいました。

そして、2人の感想のなかで共通していたのは、社会的養護を経験した子達の生き様や態度が素晴らしかったということです。

個人が特定されてしまうので具体例は伏せますが、施設で育ったからという理由で不当な扱いを受けたり、自分が受けた虐待を振り返ったりしたときに、そのことをまっすぐ言葉にできる強さを感じたそうです。

また、チューターの子達とのつながりが研修限りとなってしまい、これから何ができるのかを考えているという二人の話を聞いて、オンライン研修プログラム「TSUMUGI」が社会的養護と世の中をミックスするきっかけになっていることを実感。

私が見たかった世界観を月川さんが体現されていて、もっとこの研修プログラムが広がってほしいなと強く実感する時間となりました。

活動を終えて…

今回の登壇はオンライン研修プログラム『TSUMUGI』がテーマでしたので、チューターとして参加している子たちのことを思い浮かべながら、社員のみなさまに研修事業の貴重さや希少さを紹介することができました

この現状について「自分に何ができるかわからない」という感想をシェアしてくださったかたがいましたが、その気持ちを持ったままオンライン研修プログラム『TSUMUGI』を受講してほしいなと思います。

まだ公になっていないサービスではありますが、今回は特別に許可を得て、活動報告として紹介する機会をいただきました。

そして前回に続き、大企業さんとのコラボレーション。

4年前からご縁のあった月川さんのおかげで今日の日が実現しました。月川さんは損得勘定なしに対話を重ね続けられている貴重な人の一人。

まだまだ大企業のみなさまとコラボレーションするには至らないことばかりの小さな団体ですが、社会的養護にかかわる周りの人たちのことを知ってもらう活動を続けていきたいと思います。

当日会場に参加してくださったみなさまと!
この日「ゆるポーズ(右手でY)」が生まれました。

(報告者 / 田中れいか)

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